第1回  読み手をその気にさせる提案書の作り方

クリエイティブなビジネス文書を作るためのヒント

このコラムでは、「クリエイティブなビジネス文書を作るためのヒント」と題して、「提案書」「企画書」「プレゼン」の3つの文書を取り上げ、それぞれの役割と、どのようにクリエイティブな文書に仕上げていくかについてお伝えしていきます。

第一回目は、提案書です。提案書は、社内や顧客の現状の問題を洗い出し、それを解決するためのアイデアを提案する文書で、通常はビジネスやプロジェクトの最初のステップで作成されます。あくまで提案の段階なので、具体的な方法や詳細な裏付けを示す必要はありません。ここで大事なのは、読み手となる上司や顧客をその気にさせることです。その気にさせるには、ちょっとした調整や工夫で、わかりやすく印象に残る提案書は作れます。

これまで失敗した提案を振り返ってみて

さて、提案書を作成する前に、過去に失敗した例を振り返ってみましょう。思いついたアイデアをただ書き起こした、情報が多すぎてまとまりがなくなった、文字ばかりで内容が伝わらなかった、そんな経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。相手をその気にさせる提案書には、必ず2つの要素がなければなりません。

これまで失敗した提案を振り返ってみて

1つは、「ストーリー」です。いきなり結論から述べても、相手はピンと来ないでしょう。今なぜそれが必要か、それをすることによって何が起きるのか、最終的にどんなメリットが得られるのかなど、きちんと順序立てて伝えることが大事です。もう1つは、「ビジュアル」です。提案書だからとビジュアルをおろそかにすると、部署や会社をまたいで羽ばたく提案にはなれません。イメージを喚起する写真、内容が瞬時に伝わるグラフやイラストなど、上司や顧客がその上に持って行きたくなるような「ビジュアル作り」を心がけましょう。

心を動かすストーリー作り

仮にあなたが、業務用ITサービスを提供する会社の営業だったとします。提案先でいきなり自社サービスの特徴を話し始めても、なかなか耳を傾けてもらえないでしょう。映画やドラマにしても、見る人を惹きつける作品には、物語の流れが巧みに構成されたストーリーがあります。それは、提案書にも同じことが当てはまります。最初に相手の興味を惹きつけ、徐々に心を動かしていくようなストーリー作りが大切です。

1. 課題の提起

どの会社にも課題はあるはずです。しかしながら、課題を抱えつつも手が回らない、どうしていいかわからない、という場合がほとんどでしょう。中には潜在的な課題に気づいていないということもあります。提案の第一歩は、相手の興味を喚起させることです。「こんなことでお困りではありませんか?」と呼びかけることで、ぐっと相手の共感を得やすくなります。

 

ただし、「業務改革」や「クラウド化」といったあまりに漠然とした課題提起だと、相手は自分事として捉えず、すぐに興味を無くしてしまいます。例えば「無駄な会議が多いと感じることはありませんか?」など、多くの人が日常身近に感じている悩みやストレスを課題として提起するのが良いでしょう。

1. 課題の提起

2. 課題解決のための施策

課題が洗い出せたら、それを解決するための施策を提示します。「ここをこうすれば、こんなふうに良くなる」というアイデアです。ここでは、会議の時間を短縮する方法や、会議を減らすためのアイデアを考えます。

 

アイデアは様々な視点から考えてみることが大事で、そのためにはチームでアイデアを出し合い、ディスカッションするのも良いでしょう。「こうすれば、会議そのものを無くしてしまえる」といったところまでアイデアが膨らむかもしれません。

3. 施策実現の方法

ここではじめて自社サービスの出番です。提示した施策をどのように実現するかを、自社が提供するweb会議システムやオンラインコミュニケーションツールなどに当てはめて説明します。ただし、相手はまだそのサービス自体に興味を示しているわけではなく、あくまで課題解決の手段として捉えているだけなので、「このサービスは他にもこんなことが…」などど本題から外れた過度の訴求は控えましょう。

4. 採用後のメリット

ここまで読み進めてくれたら、もう一息です。提案が採用された後に、どれくらい生産性が上がるのか、どれくらいコストを削減できるのかなど、相手が得られる将来的なメリットを伝えましょう。

 

「会議の時間がこれだけ減り、それを実作業に当てられる」「資料の印刷コストを削減でき、ペーパーレスも推進できる」「外出先や出張先でもコミュニケーションがとれて、承認・決裁も滞らない」などがあげられます。過去の実績や事例、他社サービスとの比較データなどがあれば、さらに信憑性が増すでしょう。

4. 採用後のメリット

5. 実行する予算やスケジュール

最後に、提案内容を実施する際の、おおよその規模感、予算感、スケジュール感を提示します。また、どのくらいで成果が得られるかの目安を提示するのも効果的です。この段階では。予算感が一番気になるポイントとなるので、導入規模に応じて高・中・低の3パターンほど用意すると良いでしょう。

 

もし現時点で考えられる留意点やリスクがあれば、この段階で明示しておきましょう。後から「聞いていなかった」と、提案を棚上げにされる可能性もあります。

伝わりやすいビジュアル作り

ストーリーが組み立てられたら、そのストーリーに沿って文書を作成していきます。ここで、過去の失敗例をもう一度思い出してみましょう。情報量が多く、しかも文字ばかりの提案書は、内容が伝わりづらく、読み手の興味も薄れてしまいがちです。文字はできる限り減らして、1枚の写真、1つの絵で即座に内容が伝わるようなビジュアル作りを目指しましょう。

写真はまず見た目が勝負

さて、提案書で使用する写真を、あなたならどうやって探しますか。提案の段階ではなかなかコストもかけられず、Webから無料で使えるものを探したり、イメージを喚起するようなシーンがあれば自分で撮影してしまうこともあるでしょう。

 

ただ、写真のクオリティは重要です。写真の見た目が悪いことで逆に相手の理解を妨げたり、印象を悪くしてしまうこともあります。下の左の写真は、自社サービスによって社内コミュニケーションが改善され、仕事にゆとりが生まれる様子を表すために用いる写真だとします。

 

しかし、窓から差し込む逆光のせいか、リモート会議を済ませてくつろぐ女性社員の表情が影で暗くなってしまい、また写真全体に色味もなく、どこか殺風景な雰囲気に感じます。これでは、相手に良い印象を与えるのは難しいでしょう。多少見た目の良くない写真でも、色味や明るさ、コントラストなどを調整することで、その印象はガラリと変わります。

 

PowerPointでも多少画質を調整する機能がありますが、あくまで簡易的なもので、思い通りに仕上げるには限界があります。Adobe Photoshopのような専用ツールを使用すれば、写真の気になる部分を細かく調整することができ、印象に残る色鮮やかな写真に仕上げることができます。

 

写真はまず見た目が勝負

その写真で何を伝えたいか

いくら写真のクオリティが良くても、何を伝えたいのかを理解してもらえなければ意味がありません。そこで重要になるのが、写真の構図です。構図は写真を撮影する際に決めるものですが、撮影後の写真でもトリミング(切り抜き)を行うことで構図を変えることができます。下の左の写真は、写真の中に色々な要素が含まれています。

 

この写真で伝えたいのは、リモート会議を手早く済ませた社員のゆとりのある表情です。その重要な部分が他の要素の中に埋もれてしまって目立たなくなっています。こうした場合は、右の写真のように、重要な部分を切り出して大きく見せることで、写真の意図が見る人にすばやく的確に伝わるようになります。

その写真で何を伝えたいか

写真に文字をのせるには

写真と文字を組み合わせたデザインにすると、インパクトがあり、ページを開いたときに印象を残すことができます。ただし、写真の影響で文字が読みにくくならないように注意しましょう。写真の中にうまい具合に文字を入れるスペースがあれば良いですが、そのような写真ばかりではありません。

 

下の左の写真は背景が複雑で、文字が読みにくくなっています。こうした場合、写真をトリミングして文字を入れる余白を作るか、右の写真のようにグラデーションを使って余白を作成することで、写真の雰囲気を生かしたまま文字の視認性を上げることができます。

写真に文字をのせるには

絵は文字より情報を語る

ある研究調査では、1分間に相手に伝えられる情報量は、文字であれば300字程度、グラフや図を使えば2,000字分ほどの情報を伝えることができるという結果が出ています。つまり文字で説明するよりも、一目見てわかるグラフや図で示したほうが、はるかに速く、多く、印象的に情報を伝えることができるのです。

 

情報を視覚的に表現するものとして、インフォグラフィックがあります。身近なもので標識、案内図、地図、路線図などに用いられ、近年ではプレゼンテーションといったシーンでも目にする機会が増えています。単にグラフを作成するだけならExcelなどで十分ですが、色や形がばらけ、せっかく作ったストーリーとビジュアルの関係性が保たれなくなります。グラフの見せ方を工夫したり、アイコン、イラスト、文字、数字などを組み合わせたりすることで、よりわかりやすく印象に残る提案が可能になります。

 

Adobe Illustrator のような自由度の高いグラフィック編集ツールを使って、趣向を凝らした自作のインフォグラフィックなら、綺麗でみやすいだけでなく、統一されたビジュアルフォーマットが信頼を促し、さらに相手をその気にさせることができるでしょう。

絵は文字より情報を語る

素材を効率よく使いまわす

最後に作成した提案書の写真やグラフィックを、別の提案書でも使わせて欲しいと依頼されることもあるでしょう。しかし、文書はPowerPointで、写真はPhotoshopで、グラフィックはIllustratorでといったように別々のツールで制作していた場合、それらを他のメンバーと共有し、使いまわしていくのはちょっと大変です。

 

Adobe Creative Cloud のサービスの1つに、Creative Cloudライブラリという機能があります。この機能は、PhotoshopやIllustrator で作成した素材をクラウド上のライブラリに保存しておくことで、PhotoshopやIllustratorはもちろん、PowerPoint と Word のパネルからいつでも簡単に取り出して使うことができます。写真やグラフィックだけでなく、カラーやテキスト、文字/段落スタイルなども共有できるので、素材の流用や共同作業が大幅に効率的になるでしょう。

素材を効率よく使いまわす

相手をその気にさせるには

段階を踏んで徐々にその提案が必要だと思わせる「ストーリー作り」、それをわかりやすく伝えるための「ビジュアル作り」。この2つを実践するだけでも、相手はその気になってあなたの提案書を社内や上長に共有してくれるでしょう。

 

昨今、「クリエイティビティ」や「創造性」という言葉がビジネスの世界にも浸透してきました。ビジネスの現場では、創造性に富んだ革新的な方法で課題に取り組む「創造的問題解決能力」など新しいスキルが求められています。今やデザイナーが作るポスターやチラシと同様に、皆さんが日頃作成している提案書や企画書などのビジネス文書にも、クリエイティビティが重要視されるようになっています。

 

ぜひ創造性を働かせて、新たなビジネスの第一歩を踏み出してください。第2回、企画書の作り方では、提案書に比べて情報量が多くなる企画書を、どのようにしたら見やすく、わかりやすい文書にできるか、レイアウトや文字組などを中心に詳しく説明していきたいと思います。

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