クロマキー合成とは
グリーンスクリーンの使い方や巧みな編集法などについて学び、自分の映画にハリウッド映画のようなビジュアルエフェクトを加えてみましょう。
グリーンスクリーンの効果
映画『スターウォーズ』から、テレビの天気予報の地図まで、グリーンスクリーンの背景は、動画作成にとって無くてはならない物です。後処理の編集で使用される安価なグリーンスクリーンは、デジタル技術によって監督が望む背景に変えることができます。そのプロセスをクロマキーと言います。
クロマキーは動画編集ソフトウェアと同時に使われ、驚愕のエフェクトを加えて映画をより魅力的に見せたり、観客が気づかないほど微妙な調整を加えたりするための効果的なツールです。
クロマキーの効果を理解する
「クロマキーは、色に含まれる情報を使って特定の範囲の色を選び、それを分離します。基本的な考え方としては、色のコントラストを利用して、現実の世界の被写体を背景から抜き取り、全く別の場所に移すということです」と語るのはプロの映画制作者コリン・ドゥーガンさんです。
この色のコントラストは、グリーンスクリーンに鮮やかなグリーン(クロマキーグリーンとも呼ばれます)を出すことができるため使われます。グリーンは通常、肌や髪の色に表れていないので、俳優がグリーンの服を着ていない限り、動画編集ソフトウェアが俳優と背景との違いを簡単に認識します、俳優がグリーンの服を着ていたら、ブルースクリーンを使って、背景とのコントラストを強くします。ブルーの方が肌が綺麗に見えるという理由で、ブルースクリーンを好む制作スタジオもあります。
Adobe Premiereの編集プログラムを使用すれば、合成というプロセスの中で背景だけを透明にして、そこに希望する背景などを入れることができます。「Premiere Pro には、Ultraキーという優れたツールがあります。使いたい効果を動画クリップにドラッグして、それと交換したい色を選択するだけです」とドゥーガンさんは言います。
クロマキーの効用
クロマキーを使った映像合成は、映画の規模の大小を問わず映画制作プロセスで重要な位置を占めています。
SF映画を作る監督なら、グリーンスクリーンの前で俳優の演技を撮影し、背景に未知の惑星の映像を加えることでしょう。ドラマを撮影するのであれば、サウンドステージで俳優の演技を撮影し、窓の外にグリーンスクリーンを使い、都市の高層ビルを合成画像として入れて、人物が高層ビルにいるというシーンを映し出すことができます。
クロマキーを使えば、特殊効果をトラブルなく映画に加えることができます。例えば、グリーンスクリーンの前の安全管理が施された場所で爆発シーンを撮影し、その爆発シーンを合成で戦闘シーンの背景に入れて、俳優には危害を加えることなく危ないシーンをリアルに表現することができます。
グリーンスクリーンは、逆に不要なものを削除することもできます。スタントが必要なアクションシーンを撮影する場合、グリーン、ブルー、その他のキーカラーで塗ったハーネスなどの安全機器を使い、後でその機器を見えないようにします。
グリーンスクリーンを効果的に使う方法
グリーンスクリーンを使って撮影するのは簡単ですが、思った通りにクロマキーの効果を出すには、注意を払うべきことがあります。
「グリーンスクリーンを使う時、私がまずお勧めするのは、なるべく大きな物を使う、ということです。背景を全てカバーできるようにしないと、後でスクリーンの隅の方をマスキングしなければなりません。そして均等な光を当てることです。そうしないと、見た目が格好よくありません」とドゥーガンさんは言います。
適切なグリーンの表面であれば、クロマキーを使えますが、使いやすい物とそうでない物があります。「グリーンの毛布など、グリーンの物なら何でも使えます。でも、たたんである物は、使う前にシワを全部とる必要があります。なぜなら、シワがあるとそこに深い影ができ、後で時間をかけてマスキングしなければなりません」とドゥーガンさんは言います。
撮影中に、俳優がグリーンスクリーンに近すぎると、緑がかった光が俳優に反射し、スピリングと呼ばれるクロマキーのエラーが起きます。これが起きると、背景の合成画像が俳優の体に溶け込んでいってしまいます。「それを防ぐために、私は Premiere Pro のスピルサプレッションというツールを使います。これは色の彩度を下げ、漏れた色を除去してくれます」とドゥーガンさんは言います。
1日の時間帯を変えるのも、登場人物を別世界に送り込むのも、クロマキーは使用範囲が広く、しかも安価なコストで使うことができます。
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