切り抜きを始める前に、レイヤーについて理解を深めましょう
Photoshopのレイヤーは多用途に使えるツールで、グラフィックデザインの仕事では欠かせない存在となっています。レイヤーがあれば、複数の画像による構図を作成したり、グラフィックに文字を加えたり、ベクトルシェープを重ねて1つのデザインにしたりと様々な場面で役に立ちます。また、レイヤーを使用すると、編集や切り抜きを非破壊的におこなうことができます。これにより、可逆的な編集が可能になるので、画像の品質を維持したまま作業を進めることができます。
レイヤーパネルの使用方法
Photoshopプロジェクトのレイヤーパネルで、レイヤー、レイヤーグループ、レイヤーエフェクトのリスト全体を確認しましょう。レイヤーパネルでは、新しいレイヤーの作成、レイヤーの隠し、レイヤーマスクでの作業などができます。
スマートオブジェクトで何度も編集
スマートオブジェクトは特別なタイプのレイヤーです。このレイヤーを使えばピクセルを編集することなく、画像を変換したり、歪ませたり、形を変えたりすることができます。複数のレイヤーを1つのスマートオブジェクトに結合させることで、各レイヤーをまとめて編集し、切り抜くことができます。
レイヤーマスクで画像を切り抜くための手順
レイヤーマスクを使えば、レイヤーの一部を簡単に切り抜くことができます。まずは、Photoshopでマルチレイヤーのプロジェクトを開いてください。
- 選択する:
レイヤーツールバーで、切り抜くレイヤーを選択し、レイヤーマスクアイコンを右クリックします。 - 再確認する:
レイヤーマスクは、レイヤーのサムネイルの横に空白の白い長方形として表示されます。マスクの白い部分は、その部分の画像が隠れずに表示されることを意味します。黒い部分は、レイヤーのその部分が非表示になることを意味します。 - ペイントする:
ブラシツール、シェイプツール、またはグラデーションツールを使用して、レイヤーマスクの切り抜きたい領域を黒くペイントします。 - 反転させる:
必要であれば、選択範囲を反転させて、反対の領域を切り抜くこともできます。例えば、ポートレートの背景を差し替えたい場合、レイヤーマスクでブラシツールを使って被写体をハイライト表示にした後、レイヤーマスクを選択して、MacならCommand + Iを、WindowsならCtrl + Iを押すと、レイヤーマスクが反転します。これで、背景のみがマスクの影響を受けるようになります。 - 元に戻す:
レイヤーマスクでペイントしたオブジェクトは、実際に削除されたわけではありません。元に戻したり調整したりしたい場合は、切り取ったレイヤーに後から簡単に戻ることができます。
Adobe Photoshopでのその他の切り抜き方法
レイヤー編集で繊細な切り抜き
好みの選択ツールを使ってオブジェクトを選択し、レイヤーマスクを適用して背景からオブジェクトを「カット」します。この方法で新しい構図やコラージュを試してみましょう。
ブレンド切り抜きを作成する
レイヤーマスクを使って切り抜く時は、しっかりした線で切り抜く必要はありません。切り抜いた部分の端を繊細にフェードアウトするには、様々なブラシツールや白黒の不透明度を試してみましょう。
画像を幾何学模様に切り抜く
楕円形マーキー(円形)と長方形マーキーのツールオプションを使って残しておきたい部分を選択し、「レイヤーマスクを追加」を使って、マーキーで選択した部分以外、その他すべてを隠します。
複雑な形の切り抜き
レイヤーから複雑な領域を切り取るには、ペンツールを使用します。切り抜くレイヤーを選択し、ペンツールを使って選択範囲をトレースした後、WindowsのCtrlキーまたはMacのCommandキーを押しながらレイヤーマスクアイコンをクリックすると、ベクターマスクが作成されます。
切り抜きでクリエイティブな作品をつくる
様々な選択ツールでレイヤーを切り抜く方法を学ぶと、様々な合成画像を作成するためのコツを新たに覚えることができるようになります。手がけている作品によっては、複数の切り抜き方法を組み合わせてみると、もっと良い結果が得られる場合もあります。