販促物とは、「手にとってくれたお客さまの注意を製品やブランドに引きつけ、企業が目指す方向へお客さまの行動をうながすためのツール」です。
目的や状況に併せて使い分けられるため、その種類はポスターやチラシ、POPのようなアイテムから、Tシャツやうちわ、ボールペンなどのグッズまで多岐に渡ります。
本記事では、ポスターから企業Tシャツのデザインまで「お客さまにとって魅力的な販促物を作るためのヒント」として、クリエイティブなアイテムを考える方法から実際にある販促物事例まで広くお伝えします。
販促物に重要な「ブランドの一貫性」
広告は誰にでも作れます。しかし、お客さまと適切につながるコミュケーションツールとして効果を発揮させるとなると別の話です。
お客さまは「ただ広告を見せれば来てくれる存在」ではありません。電子メールやネット広告、プレゼン資料、販促物、ノベルティグッズなど。お客さまに新規登録や購入、来店に向けた行動をしてもらうきっかけ作りのためにも、これらのタッチポイントで、一貫性のある上質なマーケティング活動が求められます。
つまり、売り手の発信する内容や方法が、企業のブランドイメージと一体化していることが大切です。「ブランドの一貫性は平均23%の収益増につながる可能性を秘めている」という調査もあるほど。
そのためには、まずブランドアイデンティティを確立しましょう。そして、ブランドアイデンティティと広告やノベルティグッズを含む販促物を連動させるのです。
このような一貫性が、お客さまへ適切に情報を伝え、確固たるブランドを構築し、売上や顧客ロイヤルティを向上させ、組織のイメージアップにつながります。
お客さまへ伝えたいイメージを具体的にする
どのような販促物を制作するか。その第一歩は、お客さまとつながるためには、どのような販促物が最適であるか、調査することから始まります。
たとえば、もしあなたが受け取った販促物の目立つところに、企業のロゴや広告が大きく印刷されていたらどのような印象を受けますか? おそらく、多くのお客さまは「ありがとう」と言った後に、机の引き出しにしまって終わりでしょう。反対に、お客さまが「そばに置いておきたい」と思う販促物の提供ができれば、自社製品や企業のファンになってもらいやすくなります。
自社のアピールも大事ですが、利用者視点を欠いた販促物は、手に取られた瞬間にその役目を終えてしまいます。長く愛されるためにも、その販促物でどのようなイメージをお客さまへ与えたいか、明確にしましょう。ターゲット層に有益な情報、ブランドイメージやカラーに沿ったデザインを取り入れることも有用です。
もしどのような販促物を製作したら良いか分からない場合には、次の5つの質問の答えを考えてみましょう。
- その販促物は、製品やサービス、その機能の性質について説明していますか?
- 競合他社との違いについて説明していますか?
- 具体的なターゲットオーディエンス(目的とする顧客)を念頭において作成されましたか?
- 親しみやすく、説得力とまとまりがあり、わかりやすく仕上がっていますか?
- お客さまの興味を引き、製品が提供できるメリットを示していますか?
売り上げやファン獲得につながる販促物は、これらの5つの要素を満たすことが重要とだと言われています。
販促物の種類はさまざま プロモーションに最適な選択肢を探ろう
Fabula Branding制作のアートワーク
顧客獲得に向けたマーケティングにおいて、販促物は無数に存在します。そのため、何を目的に行動するかに合わせ、最適なアイテムを選ぶ必要があるのです。
一般的に、販促物には次のような選択肢があります。
●印刷されたチラシやリーフレット
●ポップやポスター
●パンフレットやカタログ
●レターヘッド
●メモカードや封筒
●デジタルサイネージ
●ニュースレターや電子メール
●ソーシャルメディアコンテンツ
●ビデオやアニメーション
●ロゴやグラフィック
●WEBサイト
●ノベルティグッズ
など
販促物の種類によって、使用に適した環境や届けられるメッセージが異なります。もしこれまで、制作工数や金額のみで販促物を選んでいたとしたら、ぜひこの機会に伝えたいメッセージに合う方法へと見直しましょう。
また、特定層の顧客へ新たなトレンドを提示するタイミングでも、最適な方法は何かを考えて直してみましょう。もしターゲットが20代前半なら、InstagramやYouTubeのようなSNSに載せる画像や動画など彼らにとって身近な方法で情報を提供した方が、刺さりやすいと推測できます。
また販促物には、さまざまな場面で再利用ができるという利点も。たとえば、今後のイベントを案内するポスターデザインは、Instagramのデジタル画像やイベントで配布するポストカードに再利用できます。また、展示会用にデザインした宣伝用の製品を使った動画を撮れば、ソーシャルメディアで世界中に公開することも可能です。
さらに、これまで販促に使っていた写真やデザイン画像を、Adobe Photoshopでリサイズしたり、Adobe Stockのオリジナリティあふれる画像と融合させたりするだけでも、これまでとは一線を画した販促物が作れます。こうしたデザインの工夫を1つ取り入れるだけでも、最小限の力で高い成果が期待できるのです。
場面に応じて最適な販促プロモーションを模索しつつ、その内容を再利用すること。それによって、ブランドの統一感を維持しながら、効果的な販促を実践しましょう。
おもしろ路線から社会性まで さまざまな切り口がある販促物の事例
お客さまに情報を届けようとしても、販促物を手にとってもらわなくては何もはじまりません。そのため、さまざまな企業が選ばれるための工夫をこらしています。ここでは、アイデアや社会性という視点から、少し変わった販促物をご紹介します。
事例1:うちわ
夏場の必須アイテムであるうちわ。うちわは印刷面が大きく、デザインが前面に押し出されるアイテムです。そのため、写真やデザインがお客さまに気に入られると、そのシーズン中はずっと愛用してもらえる可能性があります。
<キャプション>ノベルティ研究所提供
デザインによっては、おもしろグッズとしても、話題を作ることもあります。
たとえば、うちわの写真を動物の口元にすれば、顔の前にかざしてみたり、写真を撮ったりして遊べるでしょう。
さらに、その写真を「みんなに見せたい!」と感じてもらえれば、SNSへアップし拡散される可能性も……。うまくいけば、広告費をかけずに、写真に入った自社のロゴやデザインがさまざまな人に見られるかもしれません。口コミによる宣伝効果を狙いたい、企業としての話題作りをしたい場合にはおすすめのグッズの一つです。
スタイラスペン
スタイラスペンというのは、ボールペンとスマホやタブレット端末を操作できるタッチペンが一体化したペンです。ボディ部分に会社やブランドロゴを入れられたり、企業カラーに合わせたカラーリングができたりします。
わざわざ自分用に購入する人はまだ多くないため、もらった人から「ありがとう」「珍しいね」という感謝や驚きの声が寄せられやすいと言います。
スタイラスペンは、不特定多数の人が利用するタッチパネルやボタンなどでも使えるアイテム。そのため、最近では、「新型コロナウイルス感染拡大するなかで、不要な接触を避けるのに使える」という意見からノベルティに利用する会社も出てきました。
こうした世の中の流れや話題、社会性を考慮した販促物を選ぶことも、手にとってもらうためには重要です。
目指すは、もらって嬉しい販促物
どのようにファンを増やすのか、何が目的なのかによって、販促物の意味合いは変わってきます。
高いマーケティング効果のある販促物を作るためにも、デザイン性はもちろん、ブランドイメージに沿ったアイテムやグッズが必要となります。アドビ製品を活用しながら、効率的にもらったお客さまに喜ばれる販促物づくりをしていきましょう。
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取材協力:高木 芳紀(たかぎ・よしのり)
文具メーカー株式会社ノウト 代表 ノベルティ研究所所長。ノベルティ研究家。文具編集者。著書『従業員7人の「つばめや」が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み』他多数。
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(執筆:スギモトアイ 編集:ノオト)
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