写真撮影
個性が際立つ家族写真の撮り方
完璧な家族写真のためのポーズと撮影アドバイス
家族写真のポーズは柔軟性がカギ
計画したポーズと、その場で自然に生まれたポーズを組み合わせると、家族写真の撮影は楽しく生き生きとしたものになります。家族全員を撮影する場合でも、それぞれの個性に焦点を当てましょう。
家族写真のための自然なポーズの作り方
完璧な家族写真とは、単に家族全員を1つの部屋に集めて、彼らにカメラを向ける他にも準備が必要です。家族写真は、家族のメンバーの個性をそれぞれに捉える、真のスナップショットと言えます。ほんの少しの計画と、家族写真のためのアドバイスとテクニック、中心となる幾つかのポートレート用ポーズ、そして編集のためのコツを少し心得ておけば、ポートレート写真をさらに上のレベルに上げることができます。
瞬間を捉える家族写真のポーズ
それぞれの個性と、お互いの関係を表現する方法を発見すれば、色々なポーズを試してみることができます。細かく注意を払ってポーズをとってもらっても良いし、もっとリラックスして楽にポーズをとってもらっても良いでしょう。意外な瞬間から、最高のポーズのアイディアが生まれることもあります。
どんな人数の家族にも使えるおすすめのポーズを、ここに幾つかご紹介しましょう。:
立っているポーズ
家族が一緒に立っているポーズは、最もよく使われるポーズの1つです。「私は家族全員に立ってもらいます。カメラに向かって笑ってもらい、それからお互いに何かしてもらいます。」と説明するのは、家族写真の専門家オリビア・メイティアさんです。「最初は、全員一緒にカメラに向かって笑ってもらうのが、私は好きです。クリスマスカード用のファミリー写真にいいですね。」
赤ちゃんや幼児を腰のところで抱えると、親の顔がもっと直接カメラの方に向きます。背の高い子には親の横に立ってもらい、背の低い子は親の前に立ってもらいましょう。こうすれば、お互いに距離を作ることなく、強弱のついたポーズになります。
ハグしているポーズ
幼い子供や赤ちゃんがいる場合、ハグしたり抱っこしているポーズは欠かせません。もし子供が恥ずかしがっている場合は、子供が親に抱きつくようにしてもらいましょう。親子がもっと身近になれる、静かな瞬間です。
遊んでいるポーズ
楽しみましょう。「子供をライオンキングのシーンのように高く抱き上げて、子供を笑わせましょう。」とメイティアさんは言います。「時々私は、『1、2、3で(誰々さん)をくすぐってください』と、家族の誰かの名前を言います。自分の名前を呼ばれた人は驚きます。他の人達はその人をくすぐります。すると、全員を笑わせることができるんです。」
歩いているポーズ
親が歩いている前で子供が戯れているポーズは、被写界深度を作り出すことができ、動きのあるファミリー写真になります。横に並んで歩く時は、親と親、または親と子供が手を繋ぎましょう。そして、特に外での撮影の時は、周囲の様子に注意を払ってもらいましょう。
座ったポーズ
外で歩いた後は、もっとリラックスした設定で、座ったポーズの素敵な家族写真を撮ってみましょう。「どんな設定でも、そこにブランケットを敷いて、全員にそこに座ってもらいます。」とメイティアさんは語ります。アドバイス:居心地の良いソファに家族全員が座り、クローズアップの写真を撮りましょう。子供はおとなしくしているし、親はリラックスしています。
自然体の写真
ファミリー写真は、自然な瞬間を捉える最高の機会で、家族の個性をそれぞれ引き出すことができます。家族がカメラに慣れてきたら、意外なポーズが出てくる良いチャンスも自然に生まれてきます。その瞬間を捉えてください。
家族写真の撮影の準備
大人数の家族の場合、全員に居心地良くカメラに収まってもらうのは難しいことです。子供も長時間の撮影には飽きてしまいます。そこで必要となるのは、臨機応変に動くことと家族の心地良さを考えて、撮影の計画を立てることです。素晴らしい写真を撮るには、家族全体の個性を考慮しましょう。撮影前に写真のアイディアを家族と共に話し合って、お互いに必要な親近感を築き、完璧なポーズを見つけてください。
- 計画を立てる 前もって写真のアイディアの計画を立てた上で、家族と会うと撮影がスムーズにいきますが、恐れずにその場でやり方を変えることも良いでしょう。「計画を立てておくのは良いことです。私はいつも、その家族に合わせてポーズを作っていきます。」とメイティアさんは説明します。「子供が恥ずかしがり屋だったり、活発で走り回ってじっとしていなかったり、気難しい思春期の子供だったり、というのはすぐにわかります。そういう状況に合わせて、ポーズを頭の中で用意しておくのです。そして、その家族に合わせて変えていきます。」
- 適切な服装を選ぶその家族のスタイルや生き方を反映するような服を着てもらい、個性が輝くようにしましょう。動きのある服は写真に質感とエネルギーを与え、しっかりとした服装は、かしこまった外観を与えます。服装はポーズ全体にインパクトを加えます。撮影を計画する時は、このことも考慮に入れましょう。
- 急がず、休憩しながら撮影ファミリー写真の撮影は競争ではありません。ポーズとポーズの間、または場所を変える時に休憩を入れましょう。ファミリー写真の撮影は数時間かかることがありますから、親御さんたちにはスナックや水を持ってきてもらってください。
- 子供の他にも気を配る大人にも心地よくしてもらえるよう、心がけましょう。大人がカメラに対して恥ずかしがるのは良くあることです。本人が素敵に見えるポーズを取ってもらい、撮影中に褒めてあげましょう。彼らが自分に自信を持つ助けとなります。
- 家族独特の雰囲気を捉える「家族の個性や、雰囲気、お互いの関係を、写真で表現できると理想的です。」とメイティアさんは語ります。素敵なファミリー写真は、それぞれの人の親しみある個性を表現しています。
ファミリーポートレートをいっそう引き立てる、カメラテクニック
家族写真を撮影する者として、学ぶべき新しいテクニックは常にあります。ここにあげたアドバイスで、思い出深い瞬間を捉える写真撮影テクニックを磨きましょう。適切なカメラ設定を使えば、被写体の人物に集中するのが容易になり、家族の雰囲気をよく反映するポーズを撮影することができます。
カメラ設定
細かい点にも焦点を当て、撮影を楽しく、そして家族のポートレート用ポーズを前面に出していきましょう。
- 焦点。デジタル一眼レフ カメラには、オートフォーカス機能があり、マニュアルフォーカスのカメラより、もっと多くの写真をもっと早く撮影することができます。家族のポーズが決まったら、なるべく多くの写真を撮影して、選択の範囲を広げましょう。
メイティアさんは、親指AFを使うことも勧めています。これは、シャッターと焦点を2つのボタンに分けるカメラ設定です。「もし子供がすごく速く動き回っている時は、彼らに焦点を絞ることが難しいので、2枚ぐらいしか撮ることができません。でも、親指AFを使うと、その写真も自分が思ったように撮影できます。これは、画期的なカメラ設定です。 - シャッタースピード 。シャッタースピードの理解は、エネルギーいっぱいの子供の撮影や、自然体の撮影の時に不可欠です。メイティアさんはこのように説明します。「私はシャッタースピードを200以上に設定しています。子供はすごく速く動くので、シャッタースピードを速くすれば、 モーションブラーを避けられます。」
- 絞りの設定。絞りの度合いを調節して、被写界深度をコントロールします。被写界深度が浅い場合は背景がボケた感じになり、家族が浮き上がります。また、深い被写界深度だと、周辺の風景にも焦点が合います(美しい風景の場所での家族写真にぴったりです)。f/16のような小さな絞り設定にすると、それぞれの人がシャープにはっきり見え、f/4のような広い絞り設定にすると、背景をボカすことができます。
ゴールデンアワー(日の出後/日没前)を生かす
ゴールデンアワーのソフトな光を利用しましょう。太陽の位置が低い時には、光が暖かく黄金の色合いになり、日中の撮影には最適な時間です。「もし野原などでファミリー写真を撮る時には、柔らかなバックライトを使います。その場合は、被写体の人物を太陽の前に位置させます。」とメイティアさんは語ります。「そうすると、柔らかで霞のかかったような効果が得られます。少し太陽が沈むと、ブルーアワーと呼ばれる時間帯になります。その時には、私が太陽のあった位置に回り、被写体の方を向きます。それも大変素敵な感じになります。」
家族写真を編集するには
撮影が成功したら、その家族写真をAdobe Photoshop LightroomとAdobe Photoshopに取り込みましょう。トーンを微調整したり、荒れた部分を除去したり、背景をボカして焦点を移動させたり、さらにいろいろな方法で、家族写真を忘れられない思い出にしましょう。
Lightroomを使った編集のアドバイス
LightroomとPhotoshopの専門家ヘス―ス・ラミレスさんは、適切なデジタルツールと便利なプリセットを使って、ファミリー写真をさらに上のレベルへと引き上げることを勧めています。「もしトーンと色を調節したいなら、Lightroomを使ってください」とラミレスさんは勧めます。
グループ写真の場合、特定の部分のみに編集を加えるテクニックが役に立ちます。これはLightroomマスキングで行うことができます。「マスキングは写真の特定の部分をターゲットとします。例えばポートレートの場合、『被写体を選択ツール』を使って被写体の色とトーンのみにターゲットを絞ることができます。これと同じことを『空を選択』を使って、空も調節できます」とラミレスさんは説明します。
Photoshopを使った編集のアドバイス
注意深く計画したポーズの写真に、ブラーを加えることで、その写真の動的な魅力にハイライトを当てることができます。「顔にアクセントを置きたい時は、『ぼかしギャラリー』などPhotoshopのぼかしツールを使って、背景をソフトにしてみましょう。『虹彩絞りぼかし』で試してください。これは基本的には、サークルを人物の顔の上に置き、その周りを全てぼかす方法です。顔ははっきりとシャープなままです」とラミレスさんは説明します。
「カーブ」を使ってトーンを調整し、「自然な彩度」と「彩度」を使って色をさらに鮮やかにしてみましょう。「反対色を使うとコントラストを加えられます。特定の物の彩度を落とすことで、それが目立たないようにし、そうすることで、それに注意を引くこともできます」とラミレスさんは語ります。もし小さな物を除去したい場合は、コンテンツに応じた塗りつぶしツールを使うと、簡単にその物体を除去し、その部分を埋めることができます。これで、完璧な家族のハグシーンや自然なショットが、余分な物で台無しになることがありません。
家族写真を撮る場合は、様々なことを考慮に入れる必要があります。素晴らしい写真を撮るには、計画したこととその場で決めたことのバランスを取り、そして、それぞれの個性と家族全体が生み出す、生き生きとした雰囲気に焦点を当てることが秘訣です。学んだことをさっそく実践で試して、さらに技術を磨くのが、素晴らしい家族写真を撮影するための最良の道です。
この記事をシェアしましょう