成果が上がる動画広告を作る!4つの手順と無料で使えるオススメツール
スマートフォンの普及やYouTube、SNSの利用拡大もあり、重要なマーケティング手法のひとつとなっている「動画広告」。音と映像の組み合わせによって、豊富な情報をわかりやすく伝え、商品やサービスの認知拡大・購入促進に大きな効果をもたらします。
そんな動画広告ですが「どうやって作ればよいのかわからない」「制作の手間やコストがかかりそうでトライできない」という方もいるでしょう。
そこでこの記事では、動画広告の作り方と制作のポイントをわかりやすく解説します。
無料で使えるオススメの動画制作ツールも紹介するので、動画広告を試しに制作してみたいという方もぜひ参考にしてください。
動画広告を出すメリット
動画広告を作る手順を解説する前に、まずは動画広告のメリットをあらためて確認しておきましょう。
●テキストや静止画に比べて、伝えられる情報量が多い
動画広告は、テキストだけの広告や静止画のバナー広告と違い、動きや音声を交えたアプローチができます。そのため、静止画や文字だけでは伝わりにくい商品・サービスの使用感を訴求するのに向いています。
●拡散されやすい
動画広告は、それ自体がひとつのコンテンツとして捉えられることも多く、内容次第ではSNSで拡散される可能性があります。拡散してもらえる動画広告を作れば、広告費を抑えつつ多くの潜在顧客にリーチすることもできます。
●様々な指標で効果測定が可能
動画広告は、視聴回数、再生時間(試聴時間)、視聴完了率、クリック率、コンバージョン率などの指標を用いて、細かく効果測定することが可能です。指標が多いため、広告の効果を客観的に評価し、改善に活かすことができます。
このようなメリットのある動画広告ですが、作成さえすれば必ず効果が得られるわけではありません。動画広告で成果を上げるためには、方向性の整理から配信後の効果測定まで、丁寧に手順を追う必要があります。
その手順を、次のセクションで紹介します。
成果が上がる動画広告を作るための4つの手順
成果の上がる動画広告を作るための手順は、大きく分けて以下の4つです。
- 動画の方向性を整理する
- 台本を作る
- 動画を編集する
- 広告を配信し、PDCAを回す
各手順の中で具体的にどのようなアクションを取ればよいのか、詳しく解説します。
【手順1】動画の方向性を決める
まずは、動画の方向性を整理しましょう。
方向性が定まらないままに動画を作り始めてしまうと、何を伝えたい動画なのかがわからず、結果的に成果の出ないものになりがちです。途中で作り直すことになれば、時間やコストも余計にかかるうえ、広告を出すタイミングが遅くなり、ビジネスチャンスを逃してしまいかねません。「急がば回れ」ということわざどおり、最初にしっかり方向性を固めましょう。
動画の方向性を考える流れは、以下のとおりです。
1.動画広告で達成したい目的を明確にする
最初に、動画広告を出す目的を設定しましょう。
目的が明確でなければ、何をもって成果とするのかがわからなくなってしまいます。また、達成すべき目的によって、動画の対象者やメッセージング、配信先なども変わってきます。
例えば、目的には以下のようなものがあります。
- 商品・サービスの購入を促進したい
- 新商品やサービス、キャンペーンの認知を拡大したい
- ブランディングを強化したい
例えば「商品・サービスの購入を促進したい」という目的を設定する場合、成果を測る指標は「動画広告経由での購入数」になるでしょう。また、「認知拡大」が目的であれば、動画広告自体の視聴回数が成果指標になります。「ブランディング強化」を目指す場合は、SNSやブログなどでの好意的なクチコミを成果指標にできるでしょう。
2.動画広告を届けたい対象者(ペルソナ)を明確にする
動画広告を出す目的が明確化したら「その目的を達成するには、誰に動画広告を見てもらう必要があるのか」を考えます。これが、動画広告の対象者(ペルソナ)の設定です。
例えば「化粧品の購入を促進したい」という目的がある場合、自社の化粧品を購入する人はいったいどのような人物なのかを考えます。年齢層や性別、職業や趣味趣向など様々な切り口から、できるだけ具体的なユーザー像を設定するのがオススメです。
既存顧客へのアンケートやインタビューを実施するのもよいでしょう。
特に「対象者が、普段どのようなSNSを使っているか、どのような動画を好んで観ているか」といった要素を深堀りして考えると、この後のプランニングがしやすくなります。
3.動画広告の配信先を決める
対象者が明確になったら、動画広告の配信先を決めましょう。配信先によって適切な動画の長さや画面サイズが異なるため、具体的に動画を作る前に配信先を決めておきます。
主な配信先には、以下のようなものがあります。
- YouTube
- X(旧Twitter)
- LINE
- TikTok
- その他スマホアプリ
- webサイト
配信先を選ぶ際に重要なのが「対象者が好んで使っているであろうプラットフォームを選ぶこと」です。例えば、対象者がInstagramをよく使うと考えられる場合には、動画広告はInstagramで配信するべきです。対象者が主にYouTubeで情報収集しているのであれば、YouTubeに広告を出すのがよいでしょう。
いくら魅力的な動画広告を作れたとしても、対象者が存在していない場所で広告を配信していては、目的を達成することはできません。ペルソナの分析をもとに、対象者が好んで使用しているプラットフォームや、よく視聴する動画のスタイルなどを研究し、それに合わせた配信先を選びましょう。
【手順2】台本を作る
手順1で固めた方向性に沿って、台本を作成します。
台本とは、ナレーションや動画の展開を記載したテキストのことです。台本を作成しておくことで、全体像を把握した状態で動画編集に取り掛かれます。
台本は、以下の流れで作成しましょう。
1.伝えたいメッセージを決める
台本づくりの第一歩として、動画全体を通して伝えたいメッセージを決めます。手順1で設定した目的を達成するにはどのような行動を促す必要があるのか、対象者に違和感なく受け入れてもらうためにはどのような訴求をするとよいのかを考えましょう。
商品の機能やデザイン、操作性、ブランドのコンセプトなど、どのような切り口であれば対象者が魅力を感じてくれそうかをイメージしてみてください。
2.動画の構成を考える
次に、動画の構成を考えます。
構成を考える際に重要なのは「冒頭の数秒で対象者の気持ちを掴むこと」です。なぜなら、動画広告は、基本的にユーザーが関心を持っていない状態から視聴してもらうことになるためです。この点が、ユーザーが自ら能動的に検索して視聴する動画と異なります。
ユーザーは他のコンテンツを見る合間に広告を目にするため、動画の内容に興味がなければすぐにスキップしてしまいます。動画の最後でどれだけ有益な情報を紹介していたとしても、最初の数秒でスキップされてしまっては意味がありません。
ユーザーに興味を持ってもらうためには、冒頭の数秒で「この商品・サービスを使うと、あなたにとってこんなよいことがあります」というベネフィットを、直観的にわかりやすく訴求することが大切です。
例えばコーヒーマシンの販売促進をしたい場合は、そのマシンを使うと毎日のコーヒータイムがどれだけ充実したものになるのかを、映像や音声でわかりやすく表現しましょう。
「商品・サービスを使うとどのような気持ち・状態になれるのか」を魅力的に伝えれば、ユーザーは「この商品・サービスを使ってみたい」と感じてくれるでしょう。
結果的に、広告を最後まで観てもらえるだけでなく、ランディングページに遷移したりアカウントをフォローしたりといった、商品やサービスへの能動的なアクションが増えやすくなります。
3.具体的なシナリオを考える
メッセージや構成が決まったら、具体的なシナリオを考えます。メインとなるメッセージや構成をもとに、具体的なセリフや場面の転換など、動画の内容を詰めていきましょう。
このときに意識したいのは、対象者に共感してもらえるシナリオにすることです。例えば化粧品を訴求する場合を考えてみましょう。「仕事も恋愛もうまくいっていなかった主人公が、自社の化粧品を使い始めた途端に人生を好転させ、圧倒的な成功と素敵なパートナーを手に入れる」というようなシナリオでは、対象者が共感できず、商品を購入しようとは思えないはずです。
日常の中にあるささやかな共感ポイントを見つけ、思わず「あるある!」と共感したくなるようなシナリオを考えましょう。
【手順3】動画を編集する
ここまでの準備が整ったら、いよいよ実際に動画を編集していきます。
動画編集の大まかな流れは以下のとおりです。
1.動画に必要な素材を集める
作成した台本に沿って、必要な動画素材を集めましょう。動画中の素材すべてを自社で撮影する必要はなく、例えば「Adobe Express」のような動画編集ツールの中で提供されている素材を活用するのもひとつの手です。
また、動画素材だけでなく、静止画をスライドショー形式でつなぐといった方法もあります。
2.編集ツールで動画を編集する
動画編集用のツールを使い、集めた素材をもとに動画を編集します。特に強調したい箇所には効果音を入れることで、より魅力的な動画にできます。場面転換の際には、トランジションと呼ばれる視覚効果を加えるのもよいでしょう。ただし、いずれも過剰になってしまうと視聴者の集中力を削いでしまいかねないため、注意が必要です。
スマホ専用の動画編集アプリも多数ありますが、編集の自由度を考えると、PCでの編集にも対応しているツールを使うのがよいでしょう。
3.掲載先に合ったサイズにする
配信先によって、適切な動画サイズは異なります。複数のプラットフォームに広告を配信する場合や、作成した動画のサイズが配信先に合致していない場合は、適切なサイズに調整する必要があります。
配信先のプラットフォームに適したサイズを選択してから動画を編集できたり、作成後の動画をカンタンな操作でサイズ変更できたりするツールを選ぶのがオススメです。
これから動画編集用のツールを選ぶ、という方は、無料の動画編集ツール「Adobe Express」を試してみるのがよいでしょう。
Adobe Expressは、スマホとPCの両方で使用できるため、スムーズに編集作業を進められます。また、配信先に応じて最適なサイズを選んでから動画編集したり、作成後の動画をカンタンな操作でサイズ変更したりといった作業も可能です。
【手順4】広告を配信し、PDCAを回す
動画が完成したら、いよいよ実際に広告として配信しましょう。広告配信後は、設定した目的に沿って成果を測り、ブラッシュアップできる点がないか考えましょう。
動画が短時間で離脱されている場合には、冒頭でのベネフィット訴求を強化する余地がありそうです。動画が最後まで見られているのに商品の購入や問い合わせが増えていない場合は、訴求の文言を変更するのがよいでしょう。
自社の設定した目的と、動画の視聴データをもとに、PDCAを回していきましょう。
ここまで、成果の上がる動画広告を作るための手順を解説しました。
4つある手順のうち、特に気になるのはやはり「どのように編集すればよいのか」という点でしょう。そこで続いては、編集の際に意識するべきポイントをご紹介します。
動画広告の編集時に意識したい3つのポイント
動画広告を編集する際に意識したいのは、大きく以下の3つです。
- 無音でも内容がわかるよう、テロップを挿入する
- BGMを付ける際には、著作権に注意する
- ランディングページと一貫性を持たせる
それぞれ具体的に解説します。
1.無音でも内容がわかるよう、テロップを挿入する
動画広告を作る立場になるとつい見落としがちなのが、「ユーザーは必ずしも動画を音声つきで再生しない」ということです。SNSの場合、音声オフの状態で動画が再生されるように設定しているユーザーも多いでしょう。
いくら魅力的な訴求であったとしても、ナレーションだけだと、無音で再生しているユーザーは内容を理解できません。
無音で再生しても内容がわかるよう、重要な箇所にはテロップを付けるようにしましょう。テロップの挿入は時間がかかる作業ですが、広告効果を高めるうえで非常に大切です。
テロップを付ける際の具体的なコツは、「YouTubeテロップを作る5つのポイントと効果的な入れ方」でもご紹介しています。YouTube動画に関する記事ですが、ノウハウ自体はYouTube以外で配信する動画にも当てはまります。
2.BGMを付ける際には、著作権に注意する
動画にBGMを付ける場合は、著作権を侵害しないよう細心の注意を払う必要があります。有料・無料を問わず、素材サイトからダウンロードした音楽を使用する際は、各素材サイトの利用規約などをよく確認し、動画広告に利用可能かどうかを必ずチェックしましょう。
音楽によっては、利用できる範囲が定められているものがあり、商用利用が不可のものもあるからです。
無料の動画編集ツール「Adobe Express」には、著作権違反の心配なく利用できる音楽素材が多数用意されています。著作権にも配慮しつつクオリティの高いBGMを選ぶのが大変だ、という方にオススメです。
3.ランディングページと一貫性を持たせる
ランディングページ(LP)とは、広告を見たユーザーに遷移してもらうための受け皿となるページのことです。例えば、商品販売ページや、資料請求フォームなどが該当します。
広告で訴求していた内容と、ランディングページに記載されている内容が異なっていると、広告からランディングページに遷移してきたユーザーが混乱してしまいます。また、動画広告とランディングページのデザインやトンマナが揃っていないと、「関係のないページに飛んでしまった」と誤解されてしまうでしょう。すると、せっかくランディングページを見てもらえたとしても、すぐに離脱されてしまう可能性があるのです。
よって、広告内容とランディングページとの一貫性を保つことが非常に重要です。メッセージやデザインだけでなく、テンション感なども含め、ランディングページと広告とがちぐはぐな印象にならないようにしましょう。
それでは最後に、動画広告を編集するためのオススメツールである「Adobe Express」をご紹介します。
動画広告を無料でカンタンに作れる「Adobe Express」
「Adobe Express」は、世界中のクリエイターが利用している動画編集ツールである「Adobe Premiere Pro」や「Adobe Premiere Rush」を提供するアドビが作成した、無料のデザイン作成ツールです。
動画広告の作成にAdobe Expressを使うメリットは、大きく以下の3つです。
- プロのクリエイターが作った高品質な動画素材を使える
- 配信先に応じた最適なサイズで動画を作れる
- 動画だけでなく、バナーやチラシといった静止画のデザインも作成できる
【メリット1】プロのクリエイターが作った高品質な動画素材を使える
動画広告を制作する際、すべての素材を自前で用意するのは難しいケースがあります。Adobe Expressを使えば、プロのクリエイターが制作した高品質な動画素材を使えるため、素材集めの労力を大幅に削減できます。
ツール画面上部の検索ボックスで「動画」を選択し、検索窓に任意のキーワードを入力して検索すると、イメージに近い動画素材が表示されます。
【メリット2】配信先に応じた最適なサイズで動画を作れる
Adobe Expressは、配信先に合わせてサイズを指定したうえで、動画作成を進めることができます。
画面左上の「+」ボタンをクリックし、配信先と、その配信先での動画の形式を選択すれば、目的に合致したサイズでの動画作成が可能です。
また、作成後の動画サイズを変更したい場合には「クイックアクション」が便利です。
「動画のサイズを変更」というクイックアクションを使えば、既存動画のサイズをカンタンに変更できます。例えば、Instagramで配信した広告用の動画を、YouTube広告用の動画にリサイズすることが可能です。
【メリット3】動画だけでなく、バナーやチラシといった静止画のデザインも作成できる
Adobe Expressは、動画だけでなく、バナーやチラシといった静止画のデザインも作成できます。そのため、一度使い方を理解してしまえば、様々なシーンで活用できます。
複数のツールを使い分ける必要がないため、クリエイティブ業務の効率化が可能です。
もちろん、動画編集と同様に、静止画のデザインでもプロが作った高品質な素材やテンプレートを使えます。
無料のAdobe Expressを使って、成果が上がる動画広告をカンタンに作成しましょう
音声と映像によって豊富な情報をわかりやすく伝え、効果的な訴求が期待できる動画広告。うまく活用できれば、販売促進や認知拡大など、マーケティングが大きく前進します。
この記事の内容を参考に、ぜひ動画広告の活用にチャレンジしてみてください。
実際に動画編集をする際には、アドビが提供する動画編集ツール「Adobe Express」がオススメです。直感的な操作が可能で、高品質な素材を使えるため、成果が上がる動画広告の作成を強力にサポートしてくれます。
無料で利用できるので、ぜひ一度気軽に試してみてください。