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動画編集とは?

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SNSや通勤時の電車内など、生活のいたるところで動画を目にする時代になりました。じっくり観察すると興味を惹くようなカット割り効果音そしてテロップなど、実に多くの編集が加えられていることがわかります。

そのような動画を自分で作成してみたいとなった時、何から始めたらいいのでしょうか。そこで今回は、映像作家として活躍されているスタジオねこやなぎ代表・大須賀淳さんに、動画編集の基本的なお話を伺います。

スマホさえあれば誰でも動画が撮れる時代ですが、編集を意識することによって完成度を高められますので、ここで基本を押さえておきましょう。

動画にはどんな種類がある?

動画は、「同じ時間軸上に映像や音声などの素材を並べて最終的に1本にまとめたもの」と定義できます。動画編集について説明する前に、まずは「動画とは何か」を整理していきましょう。

世の中にある動画を大別すると、「個人的なもの」と「商業的なもの」の2つになります。

個人的な動画

商業的な動画

個人的な動画は誰でも制作・公開できますが、商業的な動画はあらゆる専門家によるチームで制作されていることが多く、さまざまな経路で拡散・販売されるといった違いがあります。

動画を構成する素材

動画はさまざまな素材の組み合わせによって成り立ちます。では、どのような素材があるのでしょうか。

映像

動画のメインとなる存在が、動きのある映像です。

その種類として、実写動画、その他イラストが動くアニメーション素材やループ素材、動画の中に差し込まれる写真やイラスト図などの静止画も素材に含まれます。常に動いている画と止まっている画に大別され、これらが組み合わさって1本の動画が出来上がります。

最近のSNSなどでは数十秒で完結するショート動画も登場し、短時間で印象に残る編集手法に注目が集まっています。

決まった尺の中で、より多くの人に最後まで観てもらえるような構成を作っていくには、流行を意識することも必要となります。

文字情報

人物が話している場面やナレーションにタイミングを合わせて表示されるテロップ。これは音声が文字という視覚情報に置き換わったものです。日本のバラエティー番組ではテロップが当たり前になり、現在ではYouTubeなどの動画投稿サイトにも波及しています。

【大須賀淳さんのワンポイントアドバイス】

動画の設計図となる台本は、制作側のための文字情報です。これが無いと無駄な撮影や作業が増え、編集効率が落ちてしまいます。簡単なもので十分ですので撮影前に準備しておくことをおすすめします。

音声

動画中に登場する人物が話す同期音声や、あとから追加するナレーションなどの非同期音声。さらに効果音(SE)やBGMなどが挙げられます。

効果音は、現実音と心象音に分類されます。例えば、手拍子の音は実際に存在する音として後から足せる現実音です。心象音はシンセサイザーなどの音源素材を駆使して作られます。こちらは自然界では聴くことのできない音です。

【大須賀淳さんのワンポイントアドバイス】

動画編集において音声の重要度はとても高いです。映像が綺麗に収録できたとしても、音声がしっかり録れていないと動画全体の印象が悪くなります。また同じ動画内で音量差がある場合も観づらい動画になってしまいます。

トランジション

映像・文字情報・音と、各素材について紹介してきました。

ここにもう一つ、視覚効果として「トランジション」を付け加えておきます。

トランジションは、カットが変わるときの場面転換を意識させるものです。例として、一瞬暗くなり明るさが戻ったときには場面が変わっている、もしくは次のカットが横からせり出してくるなど、さまざまな種類があります。

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▲トランジションの1つ「クロスディゾルブ」

動画編集とはどのようなことをするのか

撮影した映像を個人的に鑑賞する目的であれば編集作業は必須ではありませんが、YouTubeやSNSなどに投稿し、視聴者を楽しませる目的があれば、用途・目的を見据えた的確な編集が必要となります。

一般的な作業工程

各素材の準備が完了したら、動画編集アプリを起動して、いよいよ編集に進みます。ここで一般的な手順を並べてみます。どんな編集アプリでも共通する基本的な事項ですので覚えておきましょう。

<流れ>

以上がスタンダードな編集の流れの一例です。編集作業が上達して、より踏み込んだ作業を行いたい場合は下記の記事を参考にしてみてください。

カット割りで動画の完成形をイメージしてみよう

トランジションの意味や役割を知り、動画編集に役立てよう

動画のテロップはなぜ必要?作り方のコツや注意点を解説

【大須賀淳さんのワンポイントアドバイス】

さまざまな素材を並べて編集作業をしていると、映像や音声を順番通りに細かく仕上げていきがちです。「まずは映像を集中的に編集して、次は音声のみに集中しよう」といった具合に、各項目にフォーカスして頭から最後までを俯瞰して調整していくことをおすすめします。

さまざまな連携で効率よく作業できる「動画編集アプリ」

Adobeが提供する動画編集ソフト・Premiere Proであれば、各サービスに適した書き出し用テンプレートや、Adobe Stock内の素材検索、音声編集ソフトのAdobe Auditionとの連携など、柔軟な動画編集を実現できます。

Adobe Premiere Pro

Adobe Premiere Rush

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取材協力:

大須賀淳(おおすが・じゅん)

1975年生、福島県出身。映像作家、音楽家。スタジオねこやなぎ代表。企業ビデオなどのさまざまな映像・音楽コンテンツを制作すると同時に、書籍や雑誌での執筆、大学やeラーニングなどでの講師、製品デモなども数多く務める。近著は「Adobe Premiere Pro超効率活用術」(玄光社)「YouTuberの教科書」(インプレス)ほか。

公式サイト:https://junoosuga.com/

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(取材・執筆:赤坂太一 編集:ノオト)