【お中元のお礼状】書き方と例文を紹介!おしゃれな便箋・はがきの作り方も
お中元のお礼状のマナーと書き方を例文を交えてご紹介。おしゃれな便箋をデザインを作る方法も解説。

「あの人からお中元をいただいた!うれしいけれど、お礼ってどうしたらいいんだろう」
そんなときのために、この記事ではお中元のお礼状のマナーや書き方をわかりやすく解説します。送る相手別の例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、無料のデザインツールを使って、ビジネスシーンでも使える落ち着いたデザインの便箋や、親しい相手に送れるおしゃれなお礼状を作る方法もご紹介します。気持ちのこもったお中元のお礼状を送って、相手との良好な関係を続けていきましょう。
お中元のお礼状を送る際の3つのマナー
お中元をいただいたら、感謝の気持ちを伝えるためにお礼状を送りましょう。「知らずに失礼なことをしてしまった」なんてことを避けるために、ここでは、お中元のお礼状を送る際に気を付けたい3つのマナーについてご紹介します。
【マナー1】お礼状はお中元を受け取ってから3日以内に出す
お中元は夏の贈り物ですが、地域によって贈る時期が異なります。そのため、お中元を贈る際は、相手の住んでいる地域に合わせて贈ることが大切です。
また、お礼状には「お中元を確かに受け取りました」という報告も兼ねているため、できるだけ速やかに送るのがマナーです。お礼状は、お中元を受け取ってから3日以内に投函するようにしましょう。
【マナー2】手書きの封書で出すのが一般的
お中元をいただいた感謝を伝えるお礼状は、より丁寧さが伝わるよう、手書きの封書で出すのが一般的とされます。印刷よりも手書きの方が文字にその人らしさが出るため、書き手の気持ちが伝わりやすくなります。
一方、親しい友人や同僚といった相手には、はがきで送ったり、印刷の文字を利用したりと、手軽な形で送ってもよいでしょう。イラストや画像で楽しげにデザインしたお礼状であれば、堅苦しい印象にもならず、受け取った相手も楽しい気持ちになるはずです。
【マナー3】お返しに品物を贈る必要は原則なし
お中元の品物をもらったことに対し、「こちらも品物で返した方がいいのかな」と悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、お礼状を送れば物を返さなくてもよいとされています。
どうしても品物を返したい場合は、いただいた品物より同額以下のものを送るようにします。いただいた品物と同等、あるいは高額な品物を返してしまうと、「次回からこのようなお気遣いは結構です」という意味になるため、注意が必要です。
ただ、親しい友人や同僚、親戚には同等のものを返すケースもあります。品物を返す際は、相手との関係性を考慮したうえで、相手に気を遣わせないようにしましょう。
上手なお中元のお礼状の書き方
お礼状の基本的な書き方を押さえることで、相手に好印象を与え、ビジネスや個人の関係を円滑に保つことができます。ここでは、お中元のお礼状に盛り込むべき項目や注意点について詳しく解説します。
なお、【相手別】お中元のお礼状の例文集の章では、具体的な例文をご紹介しているので、そちらも合わせてご参考にしてみてください。
お中元のお礼状に書くべき項目
まず、お礼状に書く内容を押さえましょう。一般的なお礼状では、以下の項目を記載します。
1.頭語と結語
お礼状の書きはじめには、頭語を付けます。頭語にはそれぞれ決まった結語を合わせて用いるため、組み合わせを確認して書きましょう。代表的な頭語と結語を以下にご紹介します。
2.時候のあいさつ
頭語の次には、時候のあいさつを書きます。7月上旬ならば「盛夏の候」といったように、送る時期によって適切な言葉が変わります。お中元の礼状を送る7月と8月に使える代表的な時候のあいさつを以下にご紹介します。
▼7月に使える時候の書き出し(簡潔な漢語調)
- 上旬:盛夏の候/小暑の候
- 中旬:盛夏の候/暑中の候
- 下旬:盛夏の候/大暑の候
▼その他、7月に使える時候の書き出し(やわらかい口語調)
- 梅雨明けも近づき夏本番も迫ってまいりました いかがお過ごしでしょうか
- 厳しい暑さが続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
- 連日猛暑が続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
▼8月に使える時候の書き出し(簡潔な漢語調)
- 上旬:立秋の候/晩夏の候
- 中旬:残暑の候/晩夏の候
- 下旬:残暑の候/秋暑の候
▼その他、8月に使える時候の書き出し(やわらかい口語調)
- 残暑が続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
- 暑い日が続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
- 暑さの中にも秋の訪れを感じるこの頃 お元気にお過ごしでしょうか
3.お中元へのお礼と日頃の感謝
あいさつを書いたら、お中元をいただいたことに対するお礼の言葉を書きましょう。合わせて、日頃お世話になっていることへの感謝の言葉を添えると、より丁寧な印象になります。
【例】
- このたびは結構なお中元のお品をお送りいただき 誠にありがとうございます
- このたびはお心のこもったお中元のお品を頂戴いたしまして 誠に感謝申し上げます
- このたびは嬉しいお心遣いをいただき ありがとうございました
4.相手の健康や息災を願う言葉
暑さの厳しい時期に送るお礼状であるため、健康に気を付けて過ごしてほしいという言葉を加えましょう。
【例】
- これからも厳しい暑さが続きますので どうぞご自愛ください
- まだ暑い日が続くようですので ご家族皆様体調に気をつけてお過ごしください
- 皆様のますますのご健勝と貴社のご発展を 心よりお祈り申し上げます
5.日付と差出人
本文を書き終えたら、頭語に対応した結語を書き、最後に日付と差出人を記載しましょう。日付は「令和〇年〇月〇日」と、お礼状を書いた日を書くようにします。
以上が、お中元のお礼状に書く項目です。
句読点は使わないのが一般的
手紙を書くうえで注意したいのが、句読点の使用です。お中元のお礼状のような、日本の風習にかかわる手紙では、句読点を使用しないのが一般的でより丁寧とされています。
もともと日本の手紙では、句読点は使われていませんでしたが、子どもが読みやすくするために付けるようになりました。そのため、大人相手に句読点を使うと失礼にあたってしまう、という背景があります。ただし、句読点を使わず言葉を続けてしまうと読みにくいため、文章の区切りで改行したりスペースを空けたりして読みやすくしましょう。
最近は、友人や親しい間柄の相手には句読点を付けるケースもありますが、目上の人に送る場合は使用しない方がよいでしょう。
縦書きでより丁寧な印象に
お礼状は、横書きよりも縦書きの方が、従来の日本文の書き方に沿っており、より格式が高く丁寧な印象になります。逆に横書きはカジュアルな印象になるため、友人や家族あてなど、あまり堅苦しくしたくない場合に効果的でしょう。
次の章では送る相手別に、お中元のお礼状の例文をご紹介していきます。
【相手別】お中元のお礼状の例文集
お中元のお礼状を書くにあたり、どんなあいさつ文を書けばよいか悩んでしまうこともありますよね。
ここからは、ビジネス関係や目上の方から、親戚、友人といった送る相手別に、具体的な例文をご紹介します。マナーを押さえつつ、あなたの気持ちを込めたあいさつ文の参考にしてみてください。
基本的なお礼状の例文(ビジネス相手など)
取引先の相手やお客様、その他どんな相手にも送りやすい基本的な例文を、個人あてと法人あてに分けてご紹介します。
【個人あての例文1】
「拝啓 盛夏の候 ますますご健勝のこととお喜び申し上げます このたびは結構なお中元のお品を頂戴し誠にありがとうございます 日頃のお心遣いに深く感謝いたします 今後とも変わらぬご交誼(こうぎ)を賜りますようお願い申し上げます 猛暑が続いておりますのでどうぞご自愛ください 敬具」
【個人あての例文2】
「拝啓 炎暑の候 いかがお過ごしでしょうか このたびは素敵なお中元を賜り誠にありがとうございました いつもお気にかけていただき心より感謝いたしております これからも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます 暑い日が続きますのでどうぞご自愛ください まずは書中にて御礼申し上げます 敬具」
【法人あての例文1】
「拝啓 盛夏の候 ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます このたびは貴社より結構なお中元のお品を賜り誠にありがとうございました お心遣いに深く感謝申し上げますとともに 今後とも変わらぬお引き立てを賜りますようよろしくお願い申し上げます 酷暑の折どうかご自愛ください 敬具」
【法人あての例文2】
「拝啓 猛暑の折 貴社におかれましては ますますご健勝のこととお喜び申し上げます このたびは心温まるお品を戴き誠にありがとうございました 社員一同大変喜んでおります 酷暑が続きますので 皆様ご体調を崩されませんようお祈りいたしております 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう どうぞよろしくお願いいたします 略儀ながら書中にて御礼申し上げます 敬具」
お世話になった方や目上の方へのお礼状の例文
上司など目上の方へお中元のお礼状を送る際は、一層の丁寧さと敬意を示す表現が求められます。以下に適切な例文を紹介します。
【目上の方あての例文1】
「謹啓 盛夏の候 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます このたびは結構なお中元を頂戴し誠にありがとうございます 日頃からのお心遣いに深く感謝申し上げます 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます 酷暑が続いておりますが どうかご自愛ください 謹言」
【目上の方あての例文2】
「 謹啓 厳しい暑さが続いておりますが いかがお過ごしでしょうか このたびはご丁寧なお中元を頂戴し 厚く御礼申し上げます 日頃より温かいご指導を賜り 誠に有難く存じております 今後とも何卒よろしくお願いいたします 時節柄どうぞご自愛ください 取り急ぎ 暑中にて御礼申し上げます 謹言」
親戚へのお礼状の例文
親戚の方への例文をご紹介します。堅苦しすぎない言葉や、温かさのある表現を使うと、より心が通うお礼状になるでしょう。
【親戚あての例文1】
「拝啓 暑い日が続いていますが 皆様お元気でお過ごしでしょうか このたびは素敵なお中元をいただき本当にありがとうございました いつも温かいお気遣いに感謝しております 身体に堪える季節ですので どうぞご無理なさいませんように 敬具」
【親戚あての例文2】
「拝啓 暑さが本格的になってきましたが 皆様お元気ですか このたびはお中元をありがとうございました いつも優しい心遣いに心から感謝しています これからもどうぞよろしくお願いします まだまだ暑い日が続きますのでお身体に気をつけてお過ごしください まずはお礼まで 敬具」
友人・知人へのお礼状の例文
友人や知人へのお中元のお礼状は、感謝を伝えつつも親しみやすい表現であいさつ文を書くとよいでしょう。
【親しい友人あての例文1】
「前略 暑い日が続いているけれど 元気にしているかな このたびは素敵なお中元を本当にありがとう いつも気にかけてくれてとても嬉しいです 暑さが厳しいけれど 体調に気をつけてね 草々」
【知人あての例文2】
「拝啓 暑い日が続いておりますが お元気でお過ごしでしょうか このたびは素敵なお中元をありがとうございます どうかお身体に気を付けてお過ごしください 敬具」
ここまで、相手別の例文をご紹介しました。
次の章では、デザインツールを使ってオリジナルの便箋を作る方法を解説します。
オリジナリティ溢れるお中元のお礼状を作る方法
ここからは、無料のデザインツール「Adobe Express」を使って、オリジナルのお礼状を作る方法をご紹介します。
今回は、ビジネス関係の相手や、目上の方に封書で送れるよう、シンプルで夏らしいデザインの便箋を作っていきます。ぜひ参考にしてみてください。
【手順1】Adobe Expressにログインする
まずは、Adobe Expressにログインしましょう。GoogleアカウントやSNSアカウント、メールアドレスを使ってログインしてください。登録・ログインは無料で、30秒ほどで完了します。
【PC】ブラウザでAdobe Expressを使う
【手順2】サイズを指定する
ログインして編集画面が開いたら、左上にある紫の「+」ボタンをクリックします。
その後「サイズを指定」を選びましょう。
今回、基本的な便箋のサイズである「幅182×高さ257mm(B5判)」を指定しました。
ちなみに、サイズを入力するときは、先に「単位」を指定してから幅と高さの数値を入れるのがおすすめです。後で「単位」を変えると数値も変わってしまうので、ご注意ください。
サイズ指定が完了すると、編集画面にカンバスが表示されます。
【手順3】画像やデザイン素材を追加・編集する
オリジナル感を出すために、デザイン素材を追加しましょう。左のツールバーからは、画像やデザイン素材など、カンバスをデザインするための素材を追加・編集できます。
今回は、便箋に夏らしいデザイン素材を追加していきます。「素材」→「デザイン素材」から「風鈴」と検索し、表示された素材から好みのものを選びます。場所や大きさ、角度などを調整し、配置しましょう。
同じように、朝顔の花を左下に加え、夏らしさと可愛らしさのある雰囲気になりました。
【手順4】罫線を追加する
便箋らしくするために、縦の罫線を入れていきます。ツールバーの「素材」をクリックし、「図形」を選びます。検索窓で「線」と検索し、実線の直線をクリックすると、カンバスに追加されます。
直線を90°回転させ、長さを伸ばすことで、縦の直線が用意できました。
次に、この直線をコピーし、等間隔で配置していきます。等間隔に配置するとピンク色のガイド線(⇔)が表示されるので、それを目安に使ってください。
罫線が真っ黒だと白の背景とコントラストが強く、主張が強いと感じるときは、罫線に使った直線をすべて選択し、「枠線」から色を薄くしてみましょう。ここでは、「カスタム」からスライダーを動かし、グレーに変更しました。
【手順5】ダウンロードする
デザインが完成したら、編集画面右上の「ダウンロード」をクリックし、ファイル形式を選択してダウンロードします。印刷をするため、PDF形式がおすすめです。
以上の手順で、かんたんにオリジナルの便箋が作成できました。
【番外編】テンプレートからはがきのお礼状を作る方法
なお、上の便箋の例で紹介した「サイズを指定」する以外に、テンプレートを選んでデザインを作成することもできます。
親しい友人あてにはがきのお礼状を送りたいときは、デザインテンプレートを用いると、かんたんにおしゃれなお礼状が作れます。テンプレートからお礼状を作るときは、編集画面のトップの検索窓にキーワードを入力します。今回ははがきに使える夏らしいデザインのテンプレートを探すため、「はがき 夏」と検索します。
なお、Adobe Expressのプレミアムプランを利用すれば、右下に王冠マークの付いたものを含め、すべてのテンプレートを利用できますよ。
検索結果から、例としてこちらのテンプレートを選びます。
テキストボックスを編集してあいさつ文を書き、お好みでデザイン素材を編集すれば、かんたんにオリジナルのお礼状はがきが完成します。
編集の仕方は、上でご紹介した便箋の作り方と同様です。
お中元のお礼状を送って感謝の気持ちを伝えよう。
お中元のお礼状は、日頃お世話になっている方に感謝の気持ちを伝える貴重な機会。心を込めて贈っていただいたお中元には、その思いに応えるようにお礼状を書くことで、さらに関係が深まるでしょう。
文面やデザインもオリジナルのお礼状を送って、真心のこもった言葉を相手に届けられると素敵ですね。
「オリジナルのお礼状を送りたいけど、デザインや作り方に悩む」というときは、テンプレートやデザイン素材が豊富なAdobe Expressを利用して、あなたの想いを自由に表現してみてください。