シャトルとラケットの3Dレンダリング

3Dテクスチャの概要と作成方法

テクスチャの編集は3Dモデルに不可欠なステップです。テクスチャは、3Dオブジェクトの服や肌のようなものです。色合いから見た目まで、すべてはテクスチャリングとマテリアルの適用の仕方次第です。

3Dテクスチャリングとは

デフォルトでは、ほとんどの3Dモデルはプログラム指定のフラットなグレー色で表示されるため、多数ある方法のいずれかを使用してモデルの表面に2D写真をマッピングする必要があります。 3Dテクスチャリングとは、3Dオブジェクトにテクスチャを追加するプロセスです。モデルの表面に画像を巻きつけ、マテリアルのプロパティを設定して照明の影響を指定するといったプロセスがこれに含まれます。このアプローチは物理ベースレンダリング(PBR)と呼ばれます。PBRマテリアルは、モデルをすばやくテクスチャリングするためによく使用される手法です。このプロセスへのアプローチはソフトウェアによって異なりますが、Adobe Substance 3D Painterは業界を代表するソリューションです。

指紋の3Dテクスチャとくしゃくしゃの紙の3Dテクスチャ

画像提供元:Jean-Bastien Juneau-Rouleau

マテリアルとテクスチャの種類の選択

3Dモデルのニーズに応じて、表面に2D画像を適用する方法か、マテリアルを使用する方法かを選択できます。3Dテクスチャリングプロセスで使用されるツールを理解しやすいように、よく使われる用語をいくつか解説します。

マテリアルの種類:

マテリアルには様々なものがあります。知っておく必要があるものを挙げておきます。

基本マテリアル

通常は、レンダリングされた3D空間での表示(奥行き、シャドウ、光の反射率など)に影響する様々なカテゴリーのデータを含む正方形の画像です。

物理ベースレンダリング(PBR)

コンピューターのRAMの強化に伴い、PBRマテリアル使用して、より複雑なアルゴリズム計算に対応できるようになりました。PBRマテリアルにはパラメーターセットがあり、アーティストはそれを変更することで実物の表面を正確に再現できます。PBRマテリアルは、ライティングの構成に関係なく、任意のシーンに移動でき、シーンに合わせて表示されます。

PBRで使用されるマップは以下の10種類です。

1. アルベド

2. 法線

3. 粗さ

4. メタルネス

5. 鏡面

6. 高さ

7. 不透明度

8. アンビエントオクルージョン

9. 屈折

10. エミッシブカラー

非PBRマテリアルが使われることは珍しくありませんが、標準化されているわけではないので、非PBRマテリアルを使用するプログラムはそれぞれアプローチが大きく異なることがあります。

3Dモデルのテクスチャリング工程

マテリアル作成の業界標準について少し詳しくわかったところで、3Dモデルのテクスチャリング方法を具体的に説明しましょう。

UVアンラップ

3Dモデリングソフトウェアでは、テクスチャとマテリアルをモデルの表面にどのように適用するかを設定する必要があります。従来、これをおこなうには、まずモデルをUVアンラップします。3Dメッシュは多数の2Dポリゴンで構成されているため、つなぎ目を適切な場所で意図的に「切断」すれば、メッシュ全体を平らに広げることができます。こうすることで、モデルを解体して、テクスチャを簡単に適用できる2D空間にすべてのポリゴンを表示できます。

テクスチャのペイントとシェーディング

テクスチャとマテリアルを追加して、実物の表面の特性を最大限に再現するようパラメーターを設定します。人間の肌、毛皮、布、金属のいずれの表面を表現する場合も、それらが光をリアルに反映して適切に表示されるように、微妙に変化をつける必要があります。革を例にとると、新しくて光沢があるものは光を反射し、キメが粗く使い古されたものは反射しません。

ライティングとレンダリング

モデルにテクスチャとマテリアルを追加するだけでは不十分です。シーンを目に見えるようにするだけでなく、マテリアルを正しく表示するには、ライティングが必要です。パラメーターの設定は光とサーフェスの作用の仕方次第であるため、適切なライティングはモデルの外観に大きな効果をもたらします。多くの場合、ライティングがテクスチャセットの表示のリアルさを左右します。

シャトルの3Dレンダリング

画像提供元:Jean-Bastien Juneau-Rouleau

3Dの発泡体と土の3Dテクスチャ

画像提供元:Jean-Bastien Juneau-Rouleau

エキスパートによる3Dテクスチャ作成のヒント

Adobe Substance 3Dは、3Dアーティストの成功に役立つ5つの強力なアプリを提供します。それらのアプリを使用して3D作成の技術的側面の多くを自動化し処理することで、アーティストはクリエイティブな作業により集中できます。エキスパートによる3つのヒントに沿って、3Dモデルのテクスチャを作成する方法を詳しく説明します。

1. 優れたテクスチャリングはモデリングから

トポロジーが適切でないモデルは、UVアンラップとテクスチャリングが非常に困難です。マテリアルとテクスチャリングは通常タイリングするため、多くの場合シームができ、適切に管理しないとテクスチャの表示に問題が生じることがあります。例えば、物理的に存在する意味がない場所ではシームが目立つことがあるため、2つのテクスチャが継ぎ目なく接していないと、テクスチャに線が表示されてしまいます。

モデリングにSubstance 3D Modelerを使用すれば、ポリゴンやUVアンラップについて心配する必要はありません。Modelerはボクセルベースのアプローチを用いているため、粘土を扱うようにモデルを造形できます。完成したモデルはModelerによってメッシュに変換され、さらにメッシュがUVアンラップされます。

2. リアルタイムでペイント

Adobe Substance 3D Painterはパワフルな3Dテクスチャリングツールです。 Painterを使用すれば、個々のテクスチャマップやUVマップ管理についてあまり気にかける必要がありません。オブジェクトを直接ペイントすることも、マテリアルを適用してカスタマイズすることも、すべてリアルタイムでおこなえます。完成したマテリアルマップとテクスチャマップはPainterによって書き出され、ゲームエンジンなどですぐに使用できます。

3. 自作のマテリアルをフォトスキャン

リアルなマテリアルをすばやく作成するには、Adobe Substance 3D Samplerなどの3Dキャプチャソフトウェア自作のマテリアルをキャプチャするという便利な方法もあります。SamplerはAIと自動化機能を使用して、現実世界の写真や画像からシームレスなマテリアルを作成します。スマートフォンを使用しても高性能カメラを使用しても、自由にカスタマイズが可能なPBRマテリアルが数分で出来上がります。

バドミントンのラケットとその上に置かれた2つのシャトルの3D画像

画像提供元:Jean-Bastien Juneau-Rouleau

3Dテクスチャについて詳細を見る

テクスチャリングは、あらゆる3Dパイプラインにおいて重要なステップです。創作と表現のための便利な手段でもあります。テクスチャを手描きする場合も、リアルなマテリアルを作成する場合も、テクスチャリングがプロジェクトの成功を左右します。

Substance 3Dで質の高いテクスチャを作成する方法について詳しくは、このガイドご覧ください。

よくある質問

Substance 3Dのサブスクリプションをご購入のお客様は、その一部として提供されているSubstance 3D Assetsにアクセスし、現時点で1万5,000点以上のアセットを含むライブラリをご利用いただけます。アセットの数は増え続けています。このライブラリには数多くのマテリアルやテクスチャが用意されており、個人プロジェクトや商用プロジェクトで使用できます。

Substance 3D Sampler、Designer、Painterを使用して、カスタムマテリアルをゼロから作成することもできます。